薬師岳~立山室堂縦走(その3)五色ヶ原キャンプ場で嵐の夜を越えて無事に立山室堂へ下山
2020/12/11
2016年7月31日(日)~8月2日(火)の2泊3日で北アルプス「折立~薬師岳~スゴ乗越~五色ヶ原~立山室堂」まで縦走してきました。その時の記録です。
折立から立山室堂への縦走です。薬師岳に登頂した後、北薬師岳、間山、スゴノ頭、越中沢岳を縦走してきました。2日目はコースタイムで10時間以上のロングルートです。テント泊装備を背負って歩くのは17年ぶり位。
4ピークを登ってますが、テント場へ行くためにはもう一つ鳶山(とんびやま)2616mへ登らないといけません。
44歳のおじさんですがずっと体力増強頑張ってきましたが、やっぱり炎天下の中、重いザックを背負ってのロングルートはきつい。恥ずかしいですがバテました。
ちょっとまずそうなので、これまた珍しいですが、越中沢岳の山頂で食事を頂きます。ドライフードなのでお湯を沸かして注いて15分待つだけですが、食事しないと動けません。
う~ん、もっと体力要るなぁ。
しかし、苦労して登っただけのことはある絶景です。今日一日で薬師峠から4つのピークを越えてきましたがその山がすべて見えます。きもちいいっす。
ここからはまたですが・・・、一旦、越中沢乗越まで下って、登り返します。コースタイムにして2:50です。下りは結構爽快な道のり。しばらく休憩モードで。
今日最後のピーク、鳶山(とんびやま)へ
越中沢を振り返るとこんな感じです。スゴ乗越側からみる山容と全く違いますよね。こうみるととっても穏やかな優しい山に見えますが、反対は全くことなる険しい山でした。
最後の登り返し。5歩進んで休憩を繰り返します。途中登山道の草刈りをしている業者の方がいらっしゃいました。ありがとうございます。
ゆっくりゆっくり登って行きます。振り返るとだいぶ進んできました。ちょっとガスが・・・嫌な感じです。
そしてここもニセピークからなんどか登りを繰り返します。見えているところが山頂か?
やっぱりなかなかつかない。疲れているからか、登りがもう辛くて仕方ないです。
登山なんて全部登りの方がいいってくらい登りが好きなんですが・・・。
しかし五色ヶ原に近づいてくると見事なお花畑があります。花のピークはもう終わっているとはいえ、やっぱり見事です。花を目的に室堂から五色ヶ原までくる方もいるみたいです。
しかしまじかで見る五色ヶ原は絶景!いやいやこれはほんと天空の楽園です。ブルーに輝く池塘も雰囲気出してます。左の五色ヶ原小屋から20分ほど歩いた草原の中に五色ヶ原キャンプ場があります。もう少し。
ここからはほとんど木道が整備されているので軽快に進めます。先に登頂されていた方はこの景色に見入ってもう1時間以上もいるらしいです。なるほどそれほどの絶景ですねぇ。
が、すんごい勢いでガスが。こんなの普通の街で生活してるとみることはないと思いますが、すんごい勢いです。このまま山を飲み込んでしまうんじゃないかってくらい。
ガスの勢いに勝てるわけでもなく、すっかり真っ白になりました。ものの5分って感じです。
木道を頼りに。こんなに真っ白なので、草原の中だと遭難するのも分かりますねぇ。何件も遭難事故あるみたいなのでみなさんも慎重に歩きましょう。
五色ヶ原山荘
無事山荘へ着きました。テント代700円、ビール500mlで800円。
ちなみに五色ヶ原山荘ではお風呂に入れます。でも今年は北アルプス全体で水不足でいつまでお風呂の水が確保できるかどうかわからないらしいです。この日はぎりぎりなんとかって言ってました。
五色ヶ原キャンプ場
水場はあり。ただし今年は水不足のため、いつまで出ているかは不明とのこと、水源には例年ある雪がもうほとんどないそうです
トイレあり。でかいです。でも紙はありません。持参してください。
4時にスタートして、9時間。13時でようやくゴールです。しかし疲れた~。もうすぐに昼寝です。
しかし!ガスの勢いは本物ですぐに雨が降り始めました。テントは立てていたのでよかった~と思いながら、そのあと到着された方は雨の中テントを設営されてました。大変だなぁと思いながら昼寝。
が!雨はどんどん激しくなってきて雷雨、大雨、激雨。笑。う~ん、こりゃ大変だぁ。
で、まずい。ちょっと気づいてしまいました。テント張ったところが水はけが悪いのか急激な豪雨で水が5cm~8cmくらい溜まってます。でテントが浮いてます!浮いてる?ええ、浮いてます。
座っているところだけは地面についてますが、それ以外のところは浮いてます。
どうしよう。外は豪雨。とても出れないです。
携帯の電波が入るところでヤマテンで天気を確認しておきましたが、雨は18時までの予報。その後、晴れ!
なので予報を信じて待つことに。
止みません。豪雨です。
テントは少し漏水があるものの、池状態になったサイトに浮きつつも浸水はしてません。でもいつまでもつかどうか。まだ夕方の18時です。
少し雨の勢いが弱まると、水も少しはけてきている気がします。
ま、大丈夫でしょう。はい、そのまま寝ました。
朝3時まで9時間熟睡。起きると雨は止んでました。ラッキー。
後でテント張ってた別の人に聞くと漏水して山小屋に逃げ込んだって言ってました。アライテントのエアライズ2ですが、すごいですね。20年前くらいに買ったものです。フライのシーリングは結構はがれていたので、この機会にしっかり補修します。
獅子岳に登って立山室堂へ下山
朝は快晴って程でもないですが、雨も止んでなんとか無事下山できそうです。豪雨が続くともう一日足止めってこともありうるので助かりました。明日仕事ですし・・・。
今日は明るくなって出発するのでキャンプ場でご来光を待つことに。キャンプ場からははるか向こうに薬師岳まで見えます。
でもテント撤収しないといけません。乾くまで待つってのもありですが、ちょっと時間がかかるので、そのままドロドロずぶ濡れですが、ザックへ。
嵐の夜でしたが、熟睡できたので体力もすっかり回復して、足も痛くなく、ひざも快調!
ザラ峠は「歴史とロマンの峠」って地図に書いてます。?調べてみないとわかりません。目の前にこれから上る獅子岳を見ながら急坂を下ります。ちょっと石が滑りやすい。
獅子岳
ザラ峠です。ガスで前が見えませんが、獅子岳の輪郭だけ。毎度のことながら、これ登るんかい?って風格です。
獅子岳はちょっとザレてて、急登です。途中垂直な梯子(短い)もあるので慎重に登りましょう。
クロトウヒレン。真っ黒な蕾から咲きます。蕾も面白いですけど、花も独特。
ちょっと今日はガスですね。獅子岳の中腹から3日間で歩いてきた道のりを振り返ります。しかし五色ヶ原は本当に天空の草原です。また来たいですねぇ。
獅子岳は2ヶ所の梯子とこの鎖場があります。梯子は慎重に。鎖場は難易度は高くないです。
獅子岳の向こうに異様なまでの存在感を放つ鬼岳が見えます。地図みるとこれは登らずに巻いていくみたいです。
ライチョウの親子
これだけアルプスに登ってますが、ようやく今年初めてライチョウの親子と遭遇。天気が下り坂の時によく見かけるって噂ですが、本当ですね。たぶん今日から下り坂の予報なので。しかしかわいい。
そして、最後の龍王岳(これも登頂せず巻いて歩きます)へ取りつき
よっしゃ~。歩いた!分岐まできました。後は見えている浄土山登って室堂へ下山です。長かった~
歩いた~。室堂から同じルートを逆から登る方とすれ違いながら、笑顔で怪我もなく、嵐も耐えて無事下山できました。ちょっとテント泊装備での縦走には不安もありましたが、なんとか歩ききったのですんごい充実感です。
ルートは全部で27km。3日であるくには長くないですが、それでも折立からの高低差やアップダウンの繰り返しのコースでほんとしんどかったです。最初は、薬師岳のきれいなカールや優しい山容、五色ヶ原の草原をイメージして悠々と稜線を縦走するイメージでしたが、実際はその正反対。でもすんごい楽しい。
5:50にキャンプ場を出て到着時刻・・・・忘れました。
最後はみくりが池温泉で締めくくり。700円。さすが登山口にある温泉です。登山靴の置き場や、ザックも食堂の窓際に置かせてもらうなど対応もすごくいいです。温泉ももちろん最高です。つるつる。
今年の夏中にはもう1回縦走したいっすねぇ。
おしまい。