日本最後の秘境!雲ノ平、高天原へ(その1)快晴の中、新穂高温泉から登って三俣山荘まで
2020/12/11
すっかり北アルプスに引き込まれてしまいました。笑
8月31日~9月2日の二泊三日で今年の夏山の締めくくりをしに北アルプスへテント泊登山に行きました。あっという間に8月も終わろうとしていて、もう秋を感じるころになってきて、もう1回、北アルプスの最深部へ行きたくなったんですねぇ。
今年、テント泊を再開して最初に行ったのが、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳ですが、そのあと、折立から入って薬師岳を登って室堂への縦走をして、なんだかこの最深部の山々がとても身近に感じるようになってきたところです。なので今年中にもう一回テント泊をしたいと思いつつ、計画を練っていたのですが、行きたかったのは、日本最後の秘境と言われる雲ノ平です。
誰が日本最後の秘境と言い始めたかは置いておいて、確かにどこの説明にも&登山地図にも日本最後の秘境と書かれてありますし、どんな健脚な方でも当日ではたどり着けないというところです。いろんな山があるのですが雲ノ平は山ではありません。ピークでないところでこんなに憧れの的なるなんて。どんなところでしょう。
ちなみに、上のような説明ですが、健脚な方であれば折立から入って雲ノ平までフツーに歩けるみたいなので、説明はちょっと違いますね~。新穂高から入っても頑張れば雲ノ平まで行けると思います。
テント泊でコースを悩んでいるころ、台風10号が突然南の海上から東北へブーメランのように戻ってくるって言う状態。う~ん、折立から入るか、新穂高から入るか悩んでましたが、直前まで状況が分からないので、(消去法で)車で新穂高へ行って登ることにしました。
最初は3泊を想定して、初日に新穂高温泉から三俣山荘まで行って、そこをベースにして、雲ノ平と黒部五郎をピストン、4日目に下山という計画です。最初に言うと、3日目の黒部五郎は止めて下山したので、結果二泊三日になりました。
新穂高温泉へ
台風の影響でまだ雨風が強い中、新穂高温泉へ移動します。朝早いので、前日の夜に入っていつもの通り車中泊して登ります。
松本ICから降りて新穂高に向かう中、かなりの雨なのでちょっと心配ですが、今回は台風の影響ってのが分かっていて翌日はばっちり晴れの予報です。朝歩きだしの時には雨も止んでいることを願って進みます。
駐車場はさすがにガラガラですね。20時頃到着したころには1,2割位。でもそのあと続々とクルマが入るわ入るわ。やっぱりみなさん台風一過の晴天を狙ってきてるんですねぇ。
それでも出発の頃では4,5割って感じでしょうか。ここはトイレ(紙付き)もあるのでほんと便利です。でも紙持って帰る奴も残念ながらいるのでトイレットペーパーは持って言っておいた方がよいかもしれません。
朝はこの時期明るくなるのがだいたい5時ですね。ちょっと前まで4:30頃歩き始めてましたが、どんどん遅くなってきてます。この日も明るくなった5時を見計らってスタート。駐車場奥の道を通って登山指導センターへ。
今回は、4日分の準備なので荷物が重めになってしまいます。なのでいろいろ考えて直前に一眼カメラ(OLYMPUS OM-D EM1)を置いてコンパクトカメラで行くことにしました。いやいや、コンパクトカメラなのでブレブレ、ピンボケばっかりです。やっぱり一眼じゃなきゃダメだなぁ。
明け方の登山指導センター。いつも準備中の登山者で賑わうところですが今日は誰もおらず静かです。
双六左!って看板ありますが、惑わされず、ロープウェイ横の近道を通って進みます。笑。
台風の後なので川の水の勢いがすんごいです。何度か川を渡るので増水してないといいんですけどね。
左俣林道
左俣林道を進みます。ほんと静か。(コンパクトカメラで撮ると暗いとボケボケです。すいません)
長い林道ですが昔は自転車で行っていたらしいのでちょっとうらやましいですね。(今はNGです)
この時期はすっかり花も終わってますね。
空を見上げるとまだちょっと雲が厚いですがその上はよく晴れてます。雲が抜ければ快晴期待できそうです。
コースタイム通りほぼ1時間で中崎橋に。責任が放置されたままの橋です!責任持てないって予算がないから補修できないんでしょうかねぇ。クルマもバンバン走ってますが、いつも?と思ってしまいます。何か事情があるんでしょうけどね。
歩き始めは一人でしたが、徐々に後ろから追いつかれてきました。最初誰もいなかったので、うしろから挨拶されるとびっくりしてましたがようやくいつもの登山の雰囲気が出てきました。
途中、笠新道登山口を通りますが、水はほぼ枯れてました。(ちなみに帰りはジャバジャバ出ていたので不安定ですね)
笠新道入り口の水場を期待していた方が、枯れていたので焦っていて、わさび平小屋の前の水場で補給されてました。看板あります。水場はただの川なのでそこから水取ります。
今年の北アルプスはどこも水不足で大変ですね。流れているところにはあるんですが、雪解けの水を使っているところとかだと結構厳しいみたいです。こんなにジャバジャバでているとうれしいんですけどねぇ。今日通る双六はどうでしょうか。三俣はたぶん大丈夫だと思います。
林道も終盤。予報通り天気は快晴!よしゃ。行くぜ。って言ってますが、前回登った時は、少々ガス気味の中でしたが、バテバテで双六小屋まででした。今日はその先2時間以上の三俣山荘まで行く予定です。どこからそんな自信が出てきたのかどうか。
しかし、歩き始めから調子いいです。理由はたぶんザックですね。グレゴリーのバルトロ65は背負い心地が気に入って買いました。ただ、私は歩くとき、一眼カメラを肩からたすき掛けのようにして歩いているので、ザックの調整がイマイチできてなかったことに気づきました。
今日はコンパクトカメラなので、そのわずらわしさがなく、ちゃんと腰に乗るようにすると、ほんと軽い軽い!さすがグレゴリー。人と被るのがちょっとイマイチですが、ほんとおすすめです。
林道終えて、小池新道へ入ります。石畳が多いですが、かなり整備されているので歩きやすいです。
しかしザックが軽く感じます(うれしかったので繰り返し書いてます!)。体感ですが5㎏位軽くなった感じ。なので晴れて暑いですが、疲れを感じずガシガシ登れます。こりゃ楽だわ。
弓折方面ですね。見えているのは抜戸岳かな?これが結構迫力あるんですよねぇ。
少し心配していた増水もほぼ通常通りでした。何度か川を渡りますが、危険なところはほとんどないと思います。橋も防腐剤塗ってたりよく整備されてます。
歩き始めは厚い雲がかかっていましたが、予想通り雲も抜けて、快晴です。これはかなり期待できそう!
振り返ると、歩いてきた林道まできれいに見えます。かなり高度稼ぎましたねぇ。
笠ヶ岳方面。歩きたい稜線なんですが、なにせテント場から小屋までが遠いって噂で二の足を踏んでます。笑。腹痛くなってトイレに急いでも間に合わないよ~って言ってる人も。笑。
熊の踊り場。って言われると、クマが出そうですよねぇ。この辺は登山者多いのでそれほど心配ではないですが、みなさんちゃんと「熊鈴」つけましょう!熊と会って、熊鈴つけてなかったのでむちゃくちゃ後悔したって話も聞きます(無事でした)。安全登山で。
熊の踊り場の周りは苔がきれいで日本庭園のような雰囲気です。癒されますねぇ。ここまで来ればもう小屋近くです。後は楽かな。
逆さ槍が見えるかどうか。って言っても台風の後なので吹き返しの西風が強くて、水面は波が立ってます。逆さ槍は無理ですね。で、槍ヶ岳は見えるかどうか?雲が結構な勢いで流れてます。
ちょうど雲が取れかかっている時なのでもう少し待てばきれいに見えそうですが、10分位粘ってこんな感じです。いつか、鏡池で逆さ槍の写真撮りたいですね。
無事、鏡平山荘。ここまで3:45。特段急いでるわけじゃないのですが、なにせ15kgオーバーのザックがとても軽く感じられるので軽快に進めます。
正面に見えているのは樅沢岳か?もう双六方面は雲一つない青空が広がってます。
ここから弓折乗越までひと登り!ちょっときついか?しかししかし、今日はなんと言っても絶景です。弓折乗越まこんな稜線が続きます。見えているのが弓折岳。
そして稜線から右手には、槍ヶ岳~焼岳まで全部見えます!(写真には右の焼岳は写ってません)
こんな景色だと歩きも快調ですね。乗越もすぐ着いちゃいました。
私もそのまま歩いて双六小屋へ。ここからは少しアップダウンを繰り返しながら稜線を歩きます。
気持ち的にはもう双六小屋へ着いた感じ。見ると双六岳と鷲羽岳が見えてきました。
鷲羽岳と樅沢岳を見ながら進みます。いやいや最高だわ!気持ちがいいので会う方とちょいちょいおしゃべりしながら。
双六小屋へ
最高ですねぇ。今日は。この日会った方はみなさんほんとすんごい笑顔でした。(私も!)双六小屋が見えます。テン場はまだ誰もいないですね。さすがに昨日台風だったのでそんな強者はいなかったんですね。
無事、双六小屋へ到着です。数名の休憩されている方のみで静かでした。
10:40分過ぎ。登山指導センターから5:40で登ってきました。前回の記録を見ると6:10ってあったので、30分短縮ですね。急いで歩いて訳じゃないですが、ザック軽く感じて調子よかったので結構いいペースで歩けました。まだ時間が早いので、双六小屋で休憩です。
う~ん、笑。前回味噌汁ついてたんですけど今日はないのかな?カレーはちょっと?ですが、前回すんごくおいしかったので次回はお願いしますねぇ。でも山なので仕方ないです。食べれるだけありがたい。
双六小屋でしっかり休憩して今日のゴールの三俣山荘へ進みます。前回は双六小屋でギブアップでしたが、今日はエンジン全開で行けます。ちなみに双六小屋や水出てました。節水の紙が貼られていましたが大丈夫そうです。
三俣山荘へ
双六から三俣山荘へは巻き道を通って行きます。この道は丸山、三俣蓮華岳のカールがきれいで前は鷲羽岳、振り返れば大天井から槍、穂高まで見える絶景なのでほんと一番好きな道ですね。
双六岳を巻いて歩きます。振り返れば、樅沢岳の上から槍ヶ岳の頭がちょこっと見えます。
そして前は、丸山、三俣蓮華岳、鷲羽岳。その先(鷲羽の左となり)は水晶岳。
軽快に歩いてると、くーくー呼ぶ声が。あれ?ライチョウ?どこだ?お、水浴び中ですか。
ほんと雷鳥は人懐っこいですね。
病みつきになってしまいます。
そして明日行く雲ノ平方面。左に薬師岳が見えます。手前は祖父岳(じいだけ)で、その向こうが雲ノ平(なので雲ノ平は見えません)。右は水晶岳。
感激。三俣小屋は小屋の水は枯れてました。なので水はテンバの水場を利用する必要があります。テンバは小屋から歩いて1,2分です。
ビール350mlで650円!まずは乾杯。これが最高!まだ12時過ぎなのでほとんど人が居ません。なので一人で飲んでテントを張ります。
三俣山荘の前からは、どでかい鷲羽岳はもちろん、大天井から槍ヶ岳、穂高まできれ~に見ることができます。山荘の2階はそんな絶景を見れる展望レストランになっているんですが、なかなか行けません。
天気もいいし、前回は双六まででしたが、今日はちゃんと三俣まで歩けましたし、ほんとご機嫌!明日の雲ノ平が楽しみです。天気も持ちますように!
テント
12時過ぎなのでまだまだテンバはガラガラ。この日の2番目かな?水場の近くで隅に張ります。台風後なのでちょっと吹き返しの風が強目です。でも雨の心配はなさそうです。
この日歩いたコースはこちら。コースタイムでは10時間のロングコースになってます。
休憩入れて7:50の山行でした。19.25km、獲得標高が1,895mなので結構ありますね。(距離、獲得標高はGARMIN 235Jで計測してます。)でも三俣小屋まで頑張ってくれば翌日以降の行程がずいぶん楽になります。鷲羽岳、水晶岳ピストンでも、黒部五郎でも雲ノ平でも!
途中で会った方達も三俣を目標に、双六まで行って考えるって方が結構いましたね。
三俣のテント場は水はジャブジャブでてます。トイレは小屋の中のトイレを使いますが、むちゃくちゃきれいです!当然紙もあります。20年前山登ってた頃とは雲泥の差。ほんとこの環境の感謝ですね。
この日は夕方までほとんど雲がかからず、方向的に見える山は全部見えてました。台風後で山も空いてますしこんなタイミング年に何回あるんだろうってくらい。ほんと感謝です。
つづく。