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薬師岳~立山室堂縦走(その1)折立から薬師峠キャンプ場でテン泊して薬師岳へ。

      2020/12/11

2016年7月31日(日)~8月2日(火)の2泊3日で北アルプス「折立~薬師岳~スゴ乗越~五色ヶ原~立山室堂」まで縦走してきました。その時の記録です。

先週の7月23、24日の土日で双六山荘を拠点に鷲羽岳~三俣蓮華岳、双六岳を縦走してきましたが、その時の北アルプス最深部の景観のすばらしさに完全に魅了されてしまいました。

特に黒部五郎や薬師岳のすばらしいカールを見ると、これはまた近いうちに見なければと。笑。そして29日の金曜日にカールを見るという目的で南アルプスの仙丈ケ岳へ登ってみましたが、残念ながら天気が急変してガスガスで真っ白な山行になってしまいました。

だから?という訳ではないのですが、先週の北アルプステント泊があまりにも楽しかったのですぐにもう一回行こうということで、今回はカール続きで薬師岳へ行くことにしました。

鷲羽岳から見える黒部五郎岳に劣らず、薬師岳もすごい存在感を放ってる山で、さらにカールも素晴らしかったです。調べると東斜面のカール群は国の特別天然記念物に指定されているみたいです。

で、前回のようにどこかのテント場を拠点に空身で周回するパターンもよいのですが、できれば縦走したい!ってことで計画としては、富山県の折立登山口から薬師岳~立山室堂へ縦走する予定で計画を。通常は3泊4日とかみたいですが、仕事の関係もあり2泊3日で。

ただ、天気がよくわかりません。梅雨明け後ずっと不安定な状態です。何やら関東に熱帯低気圧が近づいてくるとのことで、北陸側はどの程度影響があるのかわからないみたい。「薬師岳 天気」で検索するといろんな天気予報のサイトが出てきますが、降水確率90%から30%までさまざまでした。楽観的に見るか、悲観的に見るかの違いなんでしょうか。でヤマテンを見てみると、晴れ~ガスとなっていましたので、ぎりぎりまで悩みましたが、この機会へ行くことに。バスでの移動なんですが、直前までキャンセルできる搭乗者には優しいシステムになってます

縦走なので今回は人生初の完全交通機関を使っての移動です。山は今まで縦走でも途中まで車で行くとかしてました。帰りはタクシー使ったり、電車で車停めている拠点まで戻ったりと。でも今回はソロですしってことで人生初の夜行長距離バスへ挑戦です。

自宅から重くてデカいザックをもって最寄りの駅から出ていくのはちょっと恥ずかしい感じ。笑。なにせ目立ちますから視線を感じます。

新宿バスタから富山駅へ

バスは、新宿~富山まで。新宿南口のバスタから22:30に出発します。

で富山駅前に5:30に到着です。寝れるように、三列独立シート、トイレ付き。これで7700円。富山駅~折立までまたバスで移動です。6:30発で折立に8:30の2時間の運転。富山駅でちょうど1時間あるのでこの時間に朝食を済ませることができるのでちょうどよいですね。

大型のザックはバスの荷台に入れます。簡易的な毛布が座席に用意されているので、それで熟睡です。私の場合、アイマスクと耳栓!を使います。

三列独立シートはとても快適で出発後から1,2度うっすら起きましたがほぼ熟睡できました。起きてしばらく行くと富山駅!

8:30~登山開始がちょっと遅いですが、30日の日曜日は、薬師岳手前のテン場なのでそれほど時間もかからないので大丈夫でしょう。

折立までのバスの中、のんびり田園風景を見ながら移動します。向こうが北アルプス方面ですね。天気はまずまずかな。登山バスはみなさん登る前の高揚感がよく伝わってきます。

折立登山口

そんなこんなで無事に8:30に折立へ。工事区間がすごく多かったです。ちょっと前は通行止めになってたみたいですし、林道整備はほんと大変ですよね。

ちなみに、地図には水場の文字があったので、ここで水を確保して登ろうかと思ってましたが、蛇口には煮沸して飲んでねって張り紙が。う~ん、そうなのか?仕方なく、自動販売機のペットボトルを3本購入して出発です。沢水だと思いますが、うるさく言えば煮沸した方がよいと思いますが、山に入ってそんなことしている人いないと思いますけどねぇ。でも書かれると不安になります。

ではでは、今日は前回と違って二泊三日の予定なので荷物も重めです。ゆっくり登りましょう。

日曜日の登山とあってバスで降りた人たち以外はあまりいない様子です。人気の百名山ですが、しばらくは静かな山歩き。

最初はヤマアジサイが迎えてくれます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

笹の間から咲いていたので、一瞬「笹の花」?って思いましたが違いました。

山を歩いてると、こんなシンボリックな木によく出会います。空は少し曇ってますねぇ。

最初から結構高度を上げていきます。ちょっとぬかるんでいて歩きづらいかなぁ。太郎坂って名前がついている急坂です。

休憩がてら、写真を結構撮ったんですが、たぶんフラフラしてたからだろうけど、かなりボケボケでした。でも載せちゃいます。

雲はかかっていますが、天気は晴れ

徐々に高度を上げていくと、植生も少しずつ変わってきます。

アキノキリンソウ

イワショウブ

こんなところもあるので滑らないように慎重に行きましょう。何やら登山道が全部濡れてます。後でテン場で聞くと、前夜はものすごい雷雨だったらしいです。

展望が開けてきました。草原ですね。

気持ちいいっす。中腹近辺でもやっぱり癒されます。

今日は1350mの折立ヒュッテから太郎平小屋を経由して2294mの薬師峠キャンプ場まで行きます。小屋から一旦下りますので、累積標高差は955m。ちょうどいい標高差です。

コースタイムで5:20なので、遅くとも14時にはテン場へ着ける予定。

草原に出るとちょろちょろと木道やらがでてきます。かなり整備されている感じです。

草原にでるとヤマハハコやら

イワイチョウ

キンコウカ

ヨツバシオガマ

目指す太郎山方面も気持ちよさそうですが、まだガスの中ですね。

木道はちょっと苦手ですが、こんな石畳の道も。

草原からはハイカーの数が増えてきます。なかなか写真撮りづらいです。なるべく人を避けて撮影!向かって右手。ガスがまだかかっていない北ノ俣岳方面には草原が広がります。

しかしやっぱりきついぜ

これが登ってきた道

標識によるとここで2133m。700m位登ってきているので、太郎平2330mまであと少しです。

花の時期は少し終わっているのですが、それでもちょろちょろと楽しませてくれます。

涼しげに見えますが、暑いです。ほんと。

タテヤマリンドウ

ミヤマリンドウ

ミヤマリンドウの蕾。

そしてビタミンカラーの定番のニッコウキスゲ。

うう、こりゃあ太郎山はガスの中ですね。

これずっと気になっていたんですが、とりあえず後で調べます。

出会った登山者の方との合言葉は、今年は花が早いですねぇ。ってのと、雪が少ないですねぇってことですね。チングルマは咲いているところもありますが、だいたい綿毛になってます。

しかも一面

黒部五郎岳、雲ノ平への分岐となる太郎平小屋

無事、太郎平小屋まで。ガスガスでした。

ここは、黒部五郎や、雲ノ平、これから行く薬師岳の分岐になっているところなのでいつも混んでるみたいです。食料を節約するため、カレー800円を頂きます。

メニューもカラフルですね。この時期の小屋は若いアルバイトさんがいっぱいいてにぎやかです。

カレーを食べ終えて、さっそくテン場へ向かいます。テン場の受付は小屋でもできますが、聞くと、出張所があって、そこでもできるとのこと。(小屋からテン場は片道20分)で、そこでジュースやらビールも売ってるとのことなのでこれは素晴らしい。場所も確保したいので

テン場が見えてきました。ちなみにこの構図はよく紹介されていますが、テン場は右方向にも張れる場所があるので結構広いです。

薬師峠キャンプ場

おっと、すぐにビールを飲もうと思ってましたが、14:00~でした。小屋で飲んどけばよかった・・・。

水場はトイレ横ですが、じゃぶじゃぶ出てます。トイレはこれ。超きれい!紙完備。山小屋の昔ながらのトイレは紙はないので持参が基本ですが、先週の双六山荘といい、ほんとどこもとてもきれいになりました。ここ薬師峠キャンプ場のトイレは北アルプスで一番きれいなトイレを目指すとありました。それくらいきれいですね。

ミヤマコウゾリナ

無事、今日の我が家が完成!

14:00を過ぎて、管理人の方が来たので、そうそうにビールを頂きます。テント代700円。ビールは350mlで600円。2本頂きましたが、どうにもペースが止まりません。なので予定オーバーですが、さらに2本で合計4本飲んじゃいました。これくらい飲むともう眠気が止まりません。

チングルマ

ミヤマリンドウ

横のおじさんと天気をいろいろ話ながら。ずっとガスってましたが、夕方に晴れ間が。やったね。

遠くに見えるのが、黒部五郎岳。前回は鷲羽から見たいのでカールが見えましたが、今回は横顔で。笑。いやいやほんと近くでみるとほんと人を引き付けるすごい山です。

やっぱり存在感すごいです。登りてーなー。

今日はコースタイム5:20のところ、3:50で歩けました。少し短めですかね。ちょっと充実感ありますが、コースタイムはルート途中で厳しかったり甘めだったりするのでなんとも言えないですね。

実は予定としては縦走を想定しながら、体調や天気を見ながら、初日のテン場で考えるってことにしてました。でパターンとして3つ!


・薬師岳~立山室堂までの縦走(翌日は五色沼キャンプ場までなので10時間以上)
・薬師峠キャンプ場(ここ)を拠点に黒部五郎をピストン(だいたい10時間)
・薬師峠キャンプ場(ここ)を拠点に秘境の雲ノ平をピストン(だいたい10時間+α)

どれも捨てがたい。雲ノ平なんてほんと行ってみたい。北アルプスで会った方と話をすると頻繁に出てくるのが「雲の平って言ったことあります?」今回の山行でも数回話題に。

で、明日の天気はよさそう。携帯の電波が少し入るところでヤマテン確認すると昼までは晴れ!の予報。

どうしよう。縦走にするとエスケープルートないので逃げられません。ピストンにすれば空身で行けるのでコースタイム10時間でもたぶん楽。

でも重いザックを背負って縦走をやらないといけないという思いもあって、立山室堂まで行くことにしました。勝手な自分の目標です。そんなことを考えながら、昼寝したにも関わらず、17時過ぎには就寝。爆睡です。

7月31日(一日目)
折立~太郎平小屋 7.26km 3:30 955m
太郎平小屋~薬師峠キャンプ場 1.08km 0:19 13m?

テント場の場所の選び方

ずいぶんテント泊していないとほんと何気ないことも忘れているもんです。静かにテント泊したいのはみなさんそうですが、せっかく早めにテン場へ着いたらいい場所を取りたいものです。

前回の双六キャンプ場では、平坦で、砂地(石、砂利が少ない)場所を選んで、おお~、最高!って思ってましたが、どうも山荘(トイレ、水場)へ行くときの最短ルートにあるみたいで、一日中真横を通る足音でした。なので、テント場の導線ルートはなるべく避けた方が得策。特に寝た後に足音で起きるのは避けたいので。

今回は正解っす!

飛騨山脈(北アルプス)立山連峰の主要峰、薬師岳へ

おはようございます。朝は空けて、起床は2時過ぎ。朝ごはんはを食べてテントを撤収して準備します。そう、今回は空身ではなく、すべてを背負って縦走ルートです。

なんだかんだ、面倒なのはなにせテント。どうしても結露してしまうので、朝夜明け前はびしょ濡れ状態。どうにも乾かすことなんてできないので、まぁ、そのまま丸めて、ザックへ押し込みます。なのでちょっと気持ち重い。

で、準備完了。4時前。

空を見ると、星がむちゃくちゃきれい。天気よさそうです。快晴ですね。(たぶん午前中は)

さっそく、トイレに行って、歯を磨いて、4時に出発しました。超久しぶりのヘッデンでのスタートです。今日は10時間以上の長丁場で、天気もどれくらい持つかどうかわからないのでなるべく早く行動したいです。

テント管理棟の横から沢沿いのガレ場を登っていきます。結構きつい。でも振り返るとこんな感じ。太郎山もきれいに見えてます。

ルートは慎重に歩かないと間違えます。なにせ真っ暗なので。

4時に出ましたが、明るくなるのが4時半過ぎくらい。で、日の出は5時過ぎかなぁ。と考えつつ、できれば薬師岳山頂付近でご来光をって欲もでてきました。

稜線へ出ると景色がいっぺんします。昨日はずっとガスで、泊は峠だったので。槍ですね。

そして進む薬師岳方面。暗いので露出をかなり明るく調整して

ご来光は、確か薬師岳反対側からなので、ちょっと急ぎ目。でも稜線もきれい。

振り返ると、黒部五郎だけと太郎山が見えます。

太郎山と山小屋も。

稜線は続きますが、もう山の反対側は明るくなってきました。ご来光は無理っすねぇ。でも朝いちばんから気持ちよく登ります。

少しおもしろい形をした雲がきれい。

そして富山市方面。山の名前は分かりません。

モルゲンロートが美しすぎる黒部五郎岳。

そんなこんなで無事に薬師小屋が見えてきました。綺麗な小屋です。

今回は、早く登頂したいので、そのままスルーして登ります。

S字カーブを繰り返して徐々に山頂へ。

ほんときれいすぎ。溜息がでます。自分が見ているのかどうかわからなくなってしまうので、手を上げたり下げたりします。ほんと自分なんですね。笑。他人の映像を垣間見てるみたい、雑誌みてるみたい。でも自分で見てるんですよねぇ。朝いちばんで北アルプスの最深部でこの景色を。

薬師岳は人気の日本百名山です。標高2,926 mで、飛騨山脈(北アルプス)立山連峰の主要峰。日本各地には薬師岳という名前の山はいろいろあるみたいですが、最高峰がここで山岳信仰の対象の山です。
でっかいカールが特徴でどっしりした山容はなんとも言えない迫力があります。先週見て、北アルプスのすばらしい景観と一緒にほれ込んだ薬師岳です。

さぁ、いよいよ薬師岳へ。

つづく



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