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南アルプスに行きたくなって、すっかり冬山の地蔵岳へ。抜群の快晴で標高差1700mラッセル

      2020/12/11

先週家族で日向山を歩いていましたが、景観はいいものの、やっぱり標高差もないので歩くにはちょっと物足りなさがありました。甲斐駒ケ岳を見たかったのですが、ガスで時折チラッと山頂が見える程度。帰りの林道は黒戸尾根にくぎ付けです。(黒戸尾根は標高差2200mの日本三大急登の1つ)

もんもんと頑張って尾根を登りたいと思いつつ、多分週中の雨で山はすっかり雪降っているはず。天気を見ると谷川岳(西黒尾根)はいまいちです。積雪を考えると、夏登ったことのない黒戸尾根にヘッデンスタートで挑戦するのはちょっと危険なので、諦めて、今回は鳳凰三山を目指すことに。

ルートですが、以前登ったことのある夜叉人峠から鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)をピストンできないかと考えて行けるところまで行こうという計画に。夜叉人峠は標高1380mです。最初の薬師岳で2780mなので標高差1400mで、先週の権現岳とあまり変わらないので問題ないだろうという計算。

2015-11-28(土曜)
地蔵岳(2764m)

青木鉱泉~鳳凰小屋~地蔵岳(ピストン)

この時期は凍結していて危険です。

前日はしっかり睡眠を取るべく、8:30に就寝。しかし9時に仕事の電話で一旦起きて、それからうつらうつらで11:30。いやな予感がします。結局ほぼ寝れずに1:30から準備して2:00出発しました。途中のSAで車中で仮眠しようとちょっと寝てみましたがあまりの寒さで無理。SAではみなさんほぼエンジンかけっぱなしで爆睡してました。私もまねてエンジンかけてみましたが、エコ&ケチな私はどうも落ち着かず寝れません。

仕方なく、そのまま夜叉人峠へ向かうことに。多分5:00頃到着予定です。最初はヘッデンスタートですね。

と、進んでいくと、なななな、なんと、山の神ゲートで通行止め。え?まじ?どうしよう。しばらく考えてました。山の神ゲートから夜叉人峠駐車場までは1:40。標高差は450m位です。ただでさえ厳しいコースタイムなのに+2:00(往復)取られると厳しい。・・・・・。八ヶ岳にするか。近くの甘利山?
考えていると、次々に車が着いてみなさんゲートの前で呆然としています・・。

結局、いいや!青木鉱泉へ。笑。ナビいれるとここから約1時間です。ちょっと眠気もありますが、ガッツで行きます。
※夜叉人峠の規制は最後のおまけに記載。

青木鉱泉からだと1090mから地蔵岳で2764m。約1700mの標高差です。コースタイムは登りが7:20、下りが5:20。合計12:40のロングコース。コースタイムはあんまりあてにならないのですが時間を気にしながら歩く必要があります。当然12時間とかかけると真っ暗なのでNGです。

青木鉱泉までは未舗装の林道がところどころあり、場所によっては結構道が悪いです。駐車場には6時前に到着。真っ暗な中、先客2台。準備している途中で明るくなりました。

外気温も1度でこの時期にしてはとても暖かいです。

6:15出発です。青木鉱泉は冬季休業中です。(トイレは確認していません)

ドンドコ沢登山道を進みます。おもしろい名前ですよね。沢沿いになります。

まだ薄暗いですね。ちょうど同時に歩き始めたソロの方がいて、結構いいペースで歩いていたので、引っ張ってもらおうと同じペースで歩き始めました。

でもこの時期に標高差1700のアルプスへ登ろうって人なのでやっぱりツワモノでした。私がちょっと離れて後ろにいるのが嫌だったのかどうか、走って行きました。すげー、追いつけない。まいった。(でも結局これがのちのちとても助かりました)

沢沿いなので川の横を進んでいきます。川の音を聞きながら進むのはとても気持ちいい。まだ!道も奇麗です。

ダムですね。人間は小さいのにでかいもの作りますよね。

葉っぱはすっかり落ちてまさに冬景色です。

徐々に高度を上げて行きますが、結構この樹林帯は難関です。落ち葉がかなり積もっているので、足首までは隠れますし、深いところはひざ下位までになります。当然下の岩や木の根は見えません。木の根なんかはするっと滑ったりしますので、ここは、超気を付けて歩きます。しかも登山道は狭く、下はこんな感じで切れ落ちているところもチラホラ。

おお、少し鳳凰三山が見えてきます。やっぱり雪着いてますね~。

ドンドコ沢で、地図見ると、沢の横のコースなんですが、実際は何度も沢を渡りますし滝もいくつも出てきます。こんな感じですね。水はとっても奇麗です。

調子のってシャッタースピード設定して、おおいい感じ!

・・・・と、その時に事件が。
川に落ちてしまいました。登山やってて初めて(笑)。川の底の苔か?川の底も凍ってますので滑ったのかもしれません。ああ、厳冬期だと命取りですね。結果、下半身は大丈夫。冬靴にゲイター付けてて、patagoniaのソフトシェルで水はじいてました。上がまずい。フリースがびっちょり濡れてます。ひじ上まで。胸のところは少しだけ。

歩き始めてまだ1時間も経っていません。ここで撤退かどうか。(大げさではなく、濡れていると冬季はまずいので)

でも今日は快晴だし、寒くないのでこのまま進むことに!ちなみに首に巻いていた汗拭き用のタオルは瞬間で凍ってカチカチでした。

川は合計3~4回渡ります。次からは超~慎重に進みます。滝はきれいですね。

朝日が登り始めてます。この時間帯はほんと大好き。空気もひんやりしていてでも太陽はあったかくて、

どんどん高度を上げて行きましょう。空は快晴!

おお、また沢です。石でかいですね~。

これ、写真うまく取れませんでしたが、岩の上は凍ってて、でかい氷の玉がゴロゴロしてました。川底も凍ってます。慎重にストック使いながら進みます。なんとかクリア!

下から見るとサメのような・・とんがった岩です。

こっちもでかいですね。しかし南アルプスでこの時期はルートが分かりづらい。落ち葉だらけで登山道が見えないですし、ルート上にも倒木とかあって何度もミスしてしまいました。しっかりリボン確認しながら進みましょう。私は疲れると下ばっかり見てしまうので。笑

川沿いはこんなツララ。凍ってます。

しかも苔の上から。なぜかさっきの川と同じようにでかい氷の玉がゴロゴロしてます。その下を水が流れてます。

滝はあんまり興味ないんですが、途中白糸の滝は見てみました。他にも南精進ヶ滝、屏風の滝なんかがありましたし、この先は五色滝もあります。しかしこの白糸の滝はすごかった。ゴウゴウと音を立ててますが、真っ白な泡のまま凍ってるようです。

ちょっとアップにしてみました。岩の白いところは凍ってます。多分泡のまま?写真の腕があれば幻想的な景色になるんだと思います。

この岩もでかいですが、負けじと根を張っているところも壮観です。

いよいよ来ましたね。雪が着いてます。慎重に進むため、ここでアイゼンを付けます。今日は12本持ってきました。12本だと、前爪で引っ掛けて自分で転倒することがあるのでガニ股で歩きます。

川の上に氷が張ってますね。もう少ししたら川が覆われると思います。そしたら歩けるようになるのかな?雨飾山の荒管沢を思い出しました。

うひょ~。カッチンカッチンに凍ってます。アイゼン効かせて慎重に進みます。

五色滝の分岐です。五色滝は写真撮ってませんが、これもすごい高度差でした。圧巻ですね。

雪の降った樹林帯は気持ちいいです。でも12本アイゼンは重くて結構疲れます。

ここら辺までくれば凍結箇所もなくなったのでアイゼンはずして進みます。空の青、緑、白でいい感じです。でも今日は車にサングラス忘れてきました。

なんでか分かりませんが、すんごいコブ付けてます。

でた~。地蔵岳のオベリスク。まずはあそこまで。

かっこいいですね~。天気がいいと中央高速道からも見える鳳凰三山のシンボルです。かっちょええ。

沢沿い進みます。雪でルートが怪しい。先行者の方が付けてくれたトレースに助けられます。でも先行者の方も迷いながらかところどころ外れてて、ちょっと戸惑うこともありました。岩に○とか書いていますが、それが雪で見えないので、要注意です。

川の水が透明すぎです。

こんな感じ。でかい岩に○が書いてます。これはギリギリ見える。

少し雪落としてみました。リボンとかないので、ルートファインディングが重要です。今日はトレースに感謝です。

鳳凰小屋です。冬季休業ですが、冬季小屋はありました。

ここから最後の登りです。一気に地蔵岳を狙います。でも超急登です・・・。

ダケカンバの樹林帯を進んでいきます。

見えた地蔵!でもきつい~。

キツイ~。トレースからそれてしまって、ラッセルが強いられます。膝下、深いところで股まで。あ、トレースはずっと右に見えました。ううう、仕方ない。トップラッセルで進むしかありません。でもこの登りはきつい。5歩歩いて休憩を繰り返します。

すごい壮観!でも切ない。こんなに近いのに、足が進みません。5歩歩いて休憩、4歩歩いて休憩、3歩歩いて休憩を繰り返して進みます。

空の青さがすごいです。濃い青!冬山っぽくていい感じです。

くう~、進め~。ストックは夏仕様のまま着てしまいました。スノーバスケット付けてくればよかった。(車の中にあります)これからはワカンも車に積んどこう。

堂々とした観音岳。個人的には鳳凰三山ってまとめるのがイマイチな気もします。

もう少し。ここで先行者の方が下山してきました。トレースとラッセルのお礼を伝えます。今日はどこまで行くのか聞くと、観音岳まで進もうと思ったけど、ここまで雪深いのは想像してなかったから今日は地蔵で帰るとここと。・・・・。そうか、その時点で私も地蔵で折り返すことにしました。この先トップラッセルで進んで三座登るのは無理だと判断。

ようやく。

お地蔵さんに安全登山のお礼を言って、

地蔵のオベリスクを見上げます。何度見てもやっぱり凄い。圧倒的な存在感、迫力です。

岩が挟まった感じ?

最後の登りへ。

今日もありがとうございます。

甲斐駒ケ岳。

アサヨ峰

仙丈ヶ岳

下山時に後続の方とお会いしました。後続の方は、薬師岳まで行ってテント張るそうです。明日も天気好さそうなのでうらやましい限りです。いろいろ山の話をして別れます。冬山は登山者も少なく合う方とのコミュニケーションが楽しかったりします。

登りはコースタイム7:20のところ、10:45なので4:30かかりました。ラッセルなければもう少し短かったかもしれません。この調子でいけば来年の夏は黒戸尾根行けるか?チャレンジしてみたいですね。2200mの最難関尾根。

さぁ、パン食べて下ります。下りもスピードは出ますが、新雪の中を進むのは疲れます。なんとか14:15に下山。8時間の山行でした。休憩30分くらいなので下山で3:00。コースタイム12:40のところ7:30。ちょうどいい体力測定になりました。夏だと三座縦走できそうです。でもその時は夜叉人峠からが楽でいいなぁと。ドンドコは滝がいくつかあるものの、ほぼ樹林帯の中を進みます。景観はほとんどありません。なにせ忍耐です。

青木鉱泉の手前にこんなゲートがあります。冬季は凍結しているので危険です。雪の下が凍ってて、滑ることも想定する必要があります。みなさん安全登山で。

(おまけ)
帰宅して調べてみました。山梨県の県営林道通行規制情報のページです。
「林道工事のため通行規制(通行止)を行います」とあります。でも
期間 平成27年11月24日から平成28年3月25日
時間 平日     終日通行止
土日、祝日     規制なし
年末(平成27年12月29日~平成28年1月3)  規制なし
ご理解ご協力よろしくお願いいたします。

となってました。土日は規制なしじゃん?はぁ。結構こんなことあります。朝早いんで、多分7時とかに係りの人が来て開けるとかのパターンですね。



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