池山吊尾根を独占?してボーコン沢ノ頭からみる大迫力のバットレス。これが北岳!
2021/09/21
先週の土曜日に北岳に登ってきましたが、午前中は暴風で景観は0。でも下山して乗合タクシーで芦安駐車場へ戻る頃には、天候は回復して山頂までばっちり見えてました。
こればっかりは仕方ないのですが、やっぱりもう一回、近いうちに南アルプスに登りたいなぁなんて考えてます。天気予報見ると金曜日は晴れそう。で土曜日は崩れそう。なので金曜日(いつものとおり)日帰りで南アルプスへ行く計画を。ちょっと最近疲れがたまり気味なので、北沢峠から仙丈ケ岳へ行こうかと考えてました。
仙丈ケ岳であれば、長野側の仙流荘からバスで行けます。平日ダイヤをみると8:05発、9:00に北沢峠に着です。家から仙流荘まで3時間チョイなので、4時にでれば間に合います。ちょっとゆっくりスタートできますね。山梨側の芦安からも行けます。広河原で乗り換えです。この場合は5:50のバスに乗らないといけません。そうすると3時出てもギリギリです。
仙丈ケ岳であればそれほど時間もかからないので久しぶりにのんびりお花見モードで・・・、と考えてましたが、タイトル通りまた北岳へ行ってきました。
北岳の登山口は、もちろん広河原なんですが、どうも別のところで「歩き沢橋」から登る方もいらっしゃるみたいです。目的は1つだけで、登り切った稜線のボーコン沢ノ頭からみるバットレスがすごい!みたい。歩き沢橋は、広河原からバスを乗り継いでいく必要があります。
で、バス調べてみると、なんと平日の方がいいじゃん!?
平日ダイヤの場合、芦安駐車場5:50~広河原6:48が始発です。で、ここで奈良田行に乗り換えるのですが、平日の場合、広河原7:10~あるき沢橋7:22です。(これが休日だと、始発でもあるき沢橋は8:12着になります)
相変わらずのロングトレイルなので朝は早い方がいいので、これで行こうと。家を3時過ぎに出て、市営芦安無料駐車場へ着いたのが5:20。バス始発まであと30分あります。梅雨が明けていない平日なので、駐車場はガラガラ。バスもガラガラ。いや~、静かな山歩きになりそうです。
広河原までの始発バスは乗車10人位。乗り換えの皆さんはほぼ北沢峠です。広河原から奈良田行のバスは私一人のみ。
秒単位でピッタリに出発して、一人、歩き沢橋で下車。広河原も山奥ですが、さらに奥へ入っているので、サル鹿しかいません。広河原からするととっても静かです。
登山口はバス停の目の前。まぁ、登山口がないとこんなところにバス停はないでしょう。一人で降りていく私に車掌さんが「気を付けてね!」と声をかけてもらいまいた。
しかしこの登山口からはいきなりですが、ほんと急登の連続でした。バスで降りたのは私一人なので、今日吊尾根を登るのは私一人です。このマイナールートを降りてくる人はいないでしょうから、たぶん一人だけの山歩きになりそう。
樹林帯の中なのでそれほど花も咲いてないですね。
人が少ないので、登山道は不明瞭になっているところもチラホラあります。十分注意が必要です。でもずっと赤いテープで目印があるので、テープを頼って歩いていきます。(そうしないと迷います)ありがたいですね。
山の中、クマよけの鈴をリンリン鳴らして歩きます。縄張りを主張するのか鳥の鳴き声が幾分おおきいような。
今回は花の名前はあまり分かってません。難しい。
歩き始めて1時間位でちょっと樹林帯の間から展望が。鳳凰三山が見えます。まだ私のいる位置の方が低いですねぇ。あの山より高いところに登るのでまだまだです。それは雲ですが、山頂までは覆っていないので展望はぎりぎりかな?
でも先週は甲府側の鳳凰三山はある程度よかったですが、北岳側は暴風だったので、今日はどうでしょうか。
登りきついですが、たまにこんなお休みできる平坦なトレイルもあります。でも短いです・・・。
今年初めてのギンリョウソウです。別名ユウレイタケ。色素がないので真っ白(または透明)です。
と思ってると、ずっとギンリョウソウだらけでした。トレイルの両端にバンバン生えてます。やっぱり南アの最深部まではいるとスケールが違いますね。笑。
なんて考えながら歩きますが、倒木が多いです。くぐったり登ったりしながら進みます。
急登の義盛新道を無事クリアして、池山2036mに到着。ホッと一息。地図にはありますが、実際は標識なく、三角点のみ。
ここから池山御池小屋(無人)までは緩やかなので軽快に進めます。
一応池なんですが、こんな感じです。もしかしたら(入ると)水があるのかもしれませんが・・・。
池山御池小屋が見えてきました。このあたりはわかりづらいです。赤テープを確認しながらでもトレイルをすぐに見過ごしてしまいます。ここまでコースタイムで3時間。ちょうど1:40位なのでいつものペースです。今日は半分くらいのペースで歩かないとあんまり余裕がありません。こんなルート日帰りは・・・ちょっと反省です。
地図では小屋の左を登山道通ってましたが、実際は右になってました。ここは迷いました。難しいぜ
またしばらくの登りです。相変わらず両端にはギンリョウソウが生えてます。にぎやかです。
この先のあたりからゴゼンタチバナが咲き始めてます。標高差2000mとか登るとどんどん植生が変わっていくのが分かるので楽しいです。
ひとりもくもくと歩いてると、なんとすれ違いで下山者がいました。お互い、開口一番「会いましたねぇ~」もちろん知らない人ですが、お互い一人と思って歩いてたみたいです。小屋どまりの方ですかね。この先の情報を教えてもらいながらバットレスもばっちり見えてるって情報をもらいました。私の方は小屋辺りが迷いやすいので赤テープを確認しながらってアドバイスを。
私が日帰りでって言うと、ちょっと?って顔されてしましました。もう10時回ってますからねぇ。笑。
ミドリゴゼンタチバナ。もっと緑のもありましたが、写真ボケてました。
だいぶ登ってきました。鳳凰三山も目線が近くなってきてます。砂払い到着です。
間違いなく稜線へ。一番ドキドキする瞬間。どんな景色が待っているのか?
稜線に出ると結構風が吹いてます。ハイマツ帯はちょっと面倒です。
そして、ようやくボーコン沢ノ頭へ。コースタイムで歩き沢橋から7時間。ちょうど3:30で到着しました。CTだと日帰りできないので。帰りのバスがあるのでちょっとタイムは気にしつつ。
確かにど迫力。この位置から正面でバットレス見れるのはここだけでしょうか。
景色はすごいんですけど・・・、暴風で雨が降り始めました。おお、急がないと。
ここからが核心部。八本歯のコルまでの下りが難所です。よいこはここは行ってはいけません。笑。
降りるとそこからは別世界。八本歯のコルから山頂までは花畑が続きます。
ウサギギクかな?ヤツガタケタンポポ?コルの少し先に一輪だけ咲いてました。
振り返ります。梯子の上がちょっと慎重に降りないといけないところです。
今日はボーコン沢ノ頭からバットレス見るのが目的だったので、このまま下山と思ってましたが、時間ももうちょっと余裕があるのでやっぱり北岳へ登ります。ここまでハイペースで歩いて来ているんで、正直ここからの北岳山頂までがつらい。
広河原から歩くのもいいですけど、今日のルートは(ちょっと苦しい急登を我慢すれば)とっても楽しい山歩きです。山頂は人がまばらですね。
残念ながら(いつも)日帰りの私は急いで降りないとバスがありますので。
今日は左俣コースで下ります。見えてるずっと先まで4時間。当然コースタイムだと間に合わないので急ぎ目で。
イワギキョウ?でも横向いて1個だけ咲いているからチシマギキョウか?
左俣コースは雪渓横歩きますが、石がゴロゴロしてて歩くのが大変です。浮石踏んで転ばないように。(でも一回転びました)
ミヤマハナシノブ。これはほんときれいだと思います。北岳と白馬にしか咲かないという話も。ちなみにこの園芸種は我が家にも咲いているらしいです。
左俣コースは途中から川の音を聞きながら、なんども川を横断します。水の流れはすごい勢いでアルプスの力を感じますねぇ。川を渡る時は天然のクーラーで、ひんやり。
シロバナエンレイソウ。白い花が横向きに咲くんですが、この緑は外花被みたいです。
センジュガンピ。ナデシコ科の白い花みたいです。広河原近くに咲いてました。
約8時間の山行。登り5時間下り3時間ですね。
前回の北岳から導入したのがハイドレーションシステム。なんだかかっこいい感じですが、要はザックの中に入れている水筒からストローで水を飲むってことです。(プラスチックのフィルム状ボトルにチューブを取り付け、その先から水を飲めるようにしたもの。)
歩きながらチューチュー水吸いながら歩けます。これはいいですね。ほんと最高です。私は2Lのを買ってますがサイズもいろいろあります。一番でかいので3Lかな?コンビニで水2Lのペットボトルを買ってそのまま注いで歩き始めます。水は一気に飲むのは大変なので、一口ずつ、ちょこちょこ飲みます。これで夏場の脱水症状からの疲れを防ぐことができるでしょう。最初はちょっとチューチュー吸うのに抵抗がありますが、いやいや、これは買うべきですね~。1点難点なのはなんのことはないものですが、2Lのものでも3000円以上するので、ちょっと高い・・・。
これから夏本番なのでみなさんも体調管理に気を付けて安全登山で。
今回は迫力あるバットレスを見るって目的だったので、曇り空ではありましたが、大満足の山行でした。でもそろそろこんな少し無謀な歩きは止めないとと思いつつ。ルートは確認していますが、ざっくりしたコースタイムの計算なので。
ベストコンディションで登りはコースタイムの50%ちょっと、下りはそうはいきません。(下りは遅いので)休憩込で8時間予想だったのでドンピシャなんですが。15時過ぎに下山で最終のバスは16:40なので1時間以上余裕はありますが、ロングコースなので途中で体調崩したことを考えるとできればもう少し早めに下山したい。
※16:40超えても、乗合タクシー呼べば来てもらえると言ってました。運転手さん曰く、ぎりぎり17:30広河原。夜叉人のゲートが18時で問答無用で閉まるので。ただし、自己責任で事前にちゃんと確認してください。
今度はゆっくり登ります。まぁ、でもこのペースで歩ければ結構な山に日帰りで登れるので便利なんですけど、たまにはのんびり歩こうかと思い始めました。笑。
最近は「やっぱり山はテント背負ってなんぼよ!」と思ってます。笑。